「反省すると失敗する」反省と目標達成の意外な関係

突然だが、あなたは反省をするだろうか?実はあまり知られていないが、反省と目標達成には面白い関係がある。
ストレスと誘惑
人は疲れていたり、精神的に負担がかかっているときほど誘惑に負けやすくなる。
こんな経験はないだろうか?
仕事で疲れているときは、ついお酒を飲みたくなったり。
頑張って努力した後には甘いものを食べたくなったり。
ストレスを感じたときほどセクシーな動画を見たくなったり。
フラれた後にどうでもいいハズの相手とも遊んでしまう。
これらの行動を、自分あるいは友人に見たことがある人は少なくないはずだ。
このとき人は、いわば「落ち込んでいる」状態にある。精神的にも不安定になっている。そして人は誘惑に負けやすくなる。
反省が作り出す失敗
次に反省について、ルイジアナ州立大学の実験を紹介しよう。
体重を気にしている女性達をある研究室に集め、彼女たちにドーナツを1つ食べさせる実験をしていた。
実験の名のもとにドーナツを食べた女性たちは、その後罪悪感に苛まれることになった。
これを予測して、半数の女性たちには「反省をしない」ように優しい言葉を語り掛けた。「これは実験だし、今回のことで自分のことを責めることはありませんよ」と。
当然声をかけなかった半数の女性たちは、ダイエット中にカロリーたっぷりのドーナツを食べてしまったことを反省し罪悪感に苛まれた。
数日後、彼女たちをまた研究室に集めた。次はボウルにたくさん入ったチョコレート等の試食。だが今回は食べる量は指定していない。一口でも丸ごとでも二つでも構わない、とにかく味のチェック表を作るように指示をした。
すると、反省しなかった女性たちに比べて、反省した女性たちは約3倍ものチョコレートを食べてしまった。
反省や罪悪感はつい自分の過ちを正してくれるものだと思いがちだが、この罪悪感によって彼女たちは誘惑に負けて大量のチョコレートを胃の中に放り込んでしまった。
それに対して優しい言葉をかけた女性たちは目標を思い出しダイエットを継続することが出来た。つまり一見もっともらしい反省は彼女たちからダイエットという目標を遠ざけ、チョコレートという誘惑を引き寄せてしまったことになる。
反省をすると人は自分を責める。
自分を責めれば気分は落ち込んでくる。
気分が落ち込んでいると誘惑に負けやすくなる。
誘惑に負ければ目標は遠ざかる。
多くの人がこの一見もっともらしい罠にはまり、いつまでたっても目標を達成できずにいる。そして目標達成できていない人が何故かその方法を正解だと流布してしまうから、それが回りまわって悪循環を生み出している。
当然、この流れに付き合って自分まで失敗する義理はない。
親友に語り掛けるように
では、何かを失敗したときに一体どうすればいいのだろうか。
その答えはこの質問の中にある。
「もしあなたの親友が失敗をしたとき、あなたはどのように語り掛けますか?」
親友が何かを失敗したらこのように語り掛けるだろう。
「大丈夫だよ。今回はこういう結果になったけど、君には素晴らしい目標があるし、もうここまで進んできたんだ。だから大丈夫。気にし過ぎることはないよ」
大事なのは、「余計な罪悪感を産まない」ことと「目標を再認識」することの2つだ。これを自分が失敗したときにも意識すると、あなたの目標へ自然と導いてくれるだろう。