モテる男(女)はツライというが、それはあながち間違いではない

モテるのが辛いなんて嘘だ!と思っている人がいると思う。そういう話はよく聞くし、モテるのが羨ましいというのは割と一般的な論理になっている。
だが、そのイメージはメディアに影響され過ぎたせいだ。
もう少し詳しく言えば、アニメとかドラマやアダルトなビデオに感化された結果だろう。幻想を見て羨ましいと思わされている可能性が高い。
複数の人に好かれたら幸せか?
そもそも、複数の人に恋愛対象として好かれてアニメのように「毎日楽しく」過ごせるのだろうか?
冷静に考えてみると、誰かに好かれれば嫉妬もされるし、勘違いされることも多いことがわかる。ただでさえ多くの人を悩ませる人間関係も、勘違いされれば状況はどんどんややこしくなってくるだろう。
フィクションではハーレムな状態でも誰にも文句を言われないが、現実でそれをやれば即炎上するだろう。現実ではどれだけモテたとしても付き合えるのは一人だけで、複数人にモテたところでどうしようもない。
もちろんモテてキャーキャー言われれば気分は良いかもしれないし、それが自信になることもあるだろう。ただ、そのメリットと同時にデメリットも同時に発生するようになることを忘れてはいけない。
モテて辛いこともある
真面目な人にとって、相手の気持ちに答えられないことはむしろ辛いことでもある。
自分のことを好きだと言ってくれることは嬉しいことだが、基本的にはその行為を断らなければいけないのだ。
だからと言って自分の感情を蔑ろにするわけにはいかない。
好きでもないのに付き合えないだろうし、それは好きになってくれた相手にも失礼で、いい結果を産むこともない。
たくさんの人に告白されたら嬉しいだろうか?本当に?
告白を断られた相手はどんな気持ちになるだろう?きっと、とても悲しいはずだ。好きな人に勇気を出して告白しても、その想いは叶わないのだから。
そしてその判断を自分で下さなければいけないからこそ、その辛さは自分にも襲ってくる。
自分が好きな人に好かれるのは幸せだろう。
好きな人と相思相愛になれたらとても嬉しいはずだ。
だが、モテる人は必ずしも好きな相手と相思相愛になれるわけではないのだ。
当然の話だが、いくらモテたところで好きな人にフラれてしまうことが大いにありえる。
それで、モテるその人は何が幸せなのだろうか?
「異性に言い寄られてツラい」なんてことを口に出せば嫉妬されるから、誰にも相談することもできない。
口に出せば自慢だと思われてしまうだろうことは本人もよくわかっているだろう。
嫉妬や独占欲によって、普通の人達が手にしているような友情が遠い存在になってしまうこともあるのだ。
人として好かれること≠異性として好かれること
もちろん、人に好かれるのは良いことだと思う。誰かに応援してもらえるなら、それはどんな状況でも役に立つ。
だが、異性として好かれる場合は少し勝手が変わってくる。
誰だって興味のない相手とは付き合えないし、一人以上同時に付き合うことも出来ない。
本当にモテる人は、何となくその気がありそうな人には予防線を張らなければいけないと言う。そのときの気分はあまりいいものでもないだろう。
多くの人が妄想するように、とっかえひっかえすれば、多くの人を傷付ける。他人を傷つけることはとてつもないストレスだ。
人を人とも思わないような、もの凄く性格が悪い人ならそれも可能なのかもしれないが、そういう人はあまりいないと思う。
大抵の人はどこかに良心を持っているから、罪悪感に苛まれるはずだ。
ちなみに、美人だからモテるというわけでもない。隙がありそうな人がモテると昔から言うように、それは付け狙われるというネガティブな意味合いを含むことさえあるのだ。
そんな目で見られて本当にうれしいだろうか?
モテるという幻想
世の中では好かれて良いことばかりが注目されているし、テレビに出ているのもいかにもモテそうな美男美女が多く羨ましくも見えるが、実際は悪いこともあるのだ。
むしろ、普通に生きたいと願う人にとっては重荷ですらあるケースさえある。
いちいち異性として狙われてしまうのは辛いことでもあるからだ。
こうして考えると、多くの人はモテてる人を羨むというよりも、作品の中のモテてる人を羨んでいると言った方が正しいだろう。