働かないアリとは:働きアリだけの社会では存続できない理由

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働きアリと働かないアリ。人の働き方も、よくこのアリに例えられることがある。

働きアリと働かないアリの違い

アリは社会を持つ新社会生物だ。外へ餌を集める個体、巣の中を清掃する個体や、外的と戦う個体がいて、共同で子を育て、不妊の個体も共に他の子の面倒を見る。多様性を持ちそれぞれが役割を担い合うことによって社会を繋いでいる。

そのアリの中にはよく働く個体とあまり働かない個体がおり、それぞれ働き始めるまでのハードルが異なっている。

結論から言えば、働かないアリは社会の中に必要で、働かないアリのいない社会は潰れてしまう。多様性のある働かないアリのいる集団の方が長期の生存率が高いのだ。

働きアリと働かないアリの違いは閾値(いきち)の違いだ。働きアリは閾値が低く、何かがあればすぐに働き始める。閾値とはハードルの高さの様なもので、閾値の低い働きアリは、多少の事でもそのハードルを越えるため、常に働き続けることになる。学校で何かあると、すぐに発言し、委員なども率先して請け負うタイプだ。

働かないアリは閾値が高く、行動するまでのハードルの高い。そのため働かないアリは緊急時や、本当に大変なときにしか行動しない。普段は発言もなく自分から手を挙げることもないのに、誰もやりたがらない仕事を決めるときに率先して手を挙げてくれるタイプだ。

何故多様性が大事なのか

仮に全ての個体が働きアリだけで構成されていれば、みんなが同じように頑張り、同じタイミングで頑張ってしまうため、緊急時に対応することが出来ずにそのまま潰れてしまう。自分が疲れているときに周りの人も疲れてしまっているから、助け合うことが出来ない。多様性の無さがそのまま対応力の無さになってしまう。

例えば、部屋の掃除をすることがこの集団の使命だとして、働きアリが20%部屋が汚れたら動き出すとすれば、働かないアリは70%部屋が汚れなければ動かない。ここで働きアリのみの集団では、70%以上も部屋が汚れてしまう異常事態に対応することが出来ない。そのときにはみんな疲れ切ってしまい、更には普段通りのやり方や視点ではその異常事態から復旧することは困難だろう。普段から掃除をしている人たちも、あまりに汚れすぎた部屋を見つめて、唖然として何をすればいいのかわからなくなってしまう。

そこで必要となるのが、閾値の高い働かないアリだ。

働きアリが疲弊していても、働かないアリは元気でその緊急事態に対応することが出来る。また、動きだすのは常に大変な状況になってからのため、部屋の掃除のレベルを超えた、ゴミ屋敷の改装に動いてくれる。

クラスでみんながやりたがらない役割を決めるとき、働かないアリは手を挙げてくれる。普段は自分から何も言わないのにそういう時に限って動いてくれる人がクラスに1人はいたと思う。彼らがいなければ役割を決めるところから進むことが出来ない。もし強制的に誰かを生贄にして決めることも出来るが、そうなれば余計な軋轢を生みかねず、問題解決どころか新たな問題まで生み出してしまうだろう。

余談だが、働かないアリが常に働いているような状況は非常に危険だ。それは常に危機的状況にあることを意味し、まさに火のついた車で、その集団は崩壊まで間もないかもしれない。働かないアリが常に頑張っているということは、その組織に常に高い負荷がかかり続けてしまっている証拠でもあるからだ。

集団にはどちらも必要なのだ。普段から頑張ってくれる働きアリや、危機から救い出してくれる働かないアリ、その多様性が集団の生存力を強めてくれる。

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