本の内容を人に教えると言うこと

読んだ本を自分の知識にするために最も効果的な方法は、本で得た知識を人に教えることだ。
人が「何かを覚える」ためには、その「何かを思い出す」というプロセスが有効である。
覚えられないのは、その知識を使わないから
「本を読んでも覚えられない」そういって本を読むことを止めてしまう人は多い。
本を読まない人の中には、得られた知識を覚えていられないことが理由で読んでいない人も多い。
そして「どうせ読んでも身にならない」という思い込みによって、新しい知識を得る機会を捨ててしまう。でも、それは少しもったいない。
覚えられないことを気にしているのは「覚えたい」「覚えないといけない」という考えが頭にあるからだろう。
読んでも覚えられないのは、読んだものを覚える方法を知らないだけだ。だから、覚えられないという理由だけで本を読むことを拒んでしまう必要はないのだ。
記憶を強化するためには
「教うるは学ぶの半ばなり」という中国のことわざがある。人に何かを教える行為はまだ学んでいる途中であるという意味だ。あるいは人に教えて初めて学んだということも出来る。これは知識の生かし方としても、自分の知識を強化する意味でも非常に深い言葉である。
読書に対しても同じことが言える。
読んでいるだけで学びにならない。読んだ内容を人に教えて初めて学んだことになる。
一度何かを見聞きしても、その情報が使われることがなければ、脳の繋がりは来上がらない。関連する情報もなく、再び呼び出されることのない記憶を思い出すことは非常に困難である。
その反面、関連する情報を増やし、アウトプットを行い情報を反復することによって、脳のつながりが強化される。つまり、記憶することが出来る。
だからこそ、読んだ内容を人に教えることは、本を覚える方法として効果的なのだ。
本の内容を人に教える
自分が得た知識を教える相手は誰でもいい。自分の親でも友人でもパートナーでも構わない。その知識がシェアされた相手に役立てばこれ以上のことはない。だがもし話す相手がいないというのであれば、日記に書いても、独り言でも、ブログを書くことも出来る。
あなたがその知識をアウトプットすることが大事なのだ。
自己啓発系の本を読んだのであれば、素晴らしいと思った考え方やその方法を友人と語り合えばいいし、歴史について学んだのであればその歴史について議論を交わせばいい。素晴らしい物語を読んだのであればそのストーリーを誰かに伝えるのもいいだろう。
覚えるためにすることはとても簡単だ。あなた既に読み終わったその本を、すぐに誰かに話してあげればいいのだ。そうして読んだ内容を思い出し、伝えることによってあなたの記憶はより強固なものとなる。
・本の内容を思い出すこと
・人に伝えよう情報をと整理すること
・人に伝えたというエピソード記憶
これだけでも読んだ内容に対する記憶はあなたの頭の中に残りやすくなる。ただ読んで終わっていたものが、関連するこれらの記憶によって結びつきが生まれ、思い出しやすくなる。
読み終わった本を本棚にしまってしまうのと同時に、読んだ内容までしまってしまうのは勿体ない。
その素晴らしい知識を、他の人にも伝えていく方が読んだ本にとっても、あなたにとっても、ずっと有益だ。